さて、素直な感想と考察。

見てない人向けにストーリーも書いてみたんですが、見てない人に感想を理解してもらえる程度に詳しくストーリーを説明すると恐ろしく長くなるので止めました。


正直、舞台で見たときは終わり方に戸惑いました。「え? ここで終わっちゃうの?」と。

でもよく考えると、敢えて原作『ココロ』までの時間的ギャップを作ることで、見る者のイメージを優先する作りとしたんじゃないかな・・・と。

手前味噌ですが私の『10th anniversary』と似た構成を目指しているように感じました。
私はあの作品で、10年後幸せになった春香だけを描き、その間をイメージさせる物は排除した。なぜなら、それぞれの見る人の持つ春香像を大切にしたかったから。

舞台版『ココロ』では、リンの開発開始に関わる事、そして『孤独な科学者』の誕生までという、曲では全く語られない部分だけを舞台化し、その後のストーリーはトラボルタPの『ココロ』を聞いてそれぞれがイメージしたもの任せたんじゃないかと。

そうするとあの中途半端感がぬぐいきれないエンディングにも納得がいきます。


確かに舞台のリンは見た目には可愛らしく、そして流暢に喋っていましたが、それはココロがあるからではなく『性格設定プログラム』が返す反応。7年前に失敗したとされるココロプログラムよりも、技術的には劣る物。
ボディもケーブルを外した単独行動は不可能な完成度で、とにかく『奇跡』と言える完成度にはほど遠い。

他の人の感想見てると舞台上でのリンの動きとしゃべりに誤魔化されてる人も多いみたいですが、台詞から推察していくと舞台上で表現されていたのはココロプログラムを持たず、性格設定プログラムのプログラムに従った反応を返すだけの、未完のリンで間違いないでしょう。

北海道へ逃亡した新人君は、先生の用意していた隠れ家(後のクリプトン?w)で、結局性格曲がったままのリンに文句言われながらも開発に没頭するんでしょう。

先生の遺志(結局舞台中には死んでないけど)と、先輩の自己犠牲を胸に。

だってほら、あれだけ現代ぽい設定の舞台だったんですよ。最後にエンジニア君が行かないと言い出したのは、自分の身が可愛かったりしたわけじゃない。
巨額の開発費を掛け開発中だったロボットが、納品間近にしてデータもサーバーも全部『盗難』に遭うんですよ。関係者の事情聴取が無いはず無いし、責任問題だって起きてくる。口では「リン開発の能力を買ってくれて、引き抜きが来てるんだ。今度は男のと型ロボットを作らないかって」なんて言ってるけど、先の短い先生を守り、後輩を守り、リンを守るため、何かの時は自分が全責任を取る覚悟をしたんでしょう。

だからこその「俺は行かないよ」だったんじゃないかな。
責任取るために、俺が残らないと。リンを・・・頼む。


そして、舞台版『ココロ』から、原作『ココロ』へ。

北海道への逃亡に成功した新人君は、まずボディを完成させ、さらに高度な性格設定プログラムとあわせて、素人目には『奇跡』のロボットの開発に成功する。

しかし、一生掛けても、ココロプログラムは完成しなかった。彼の生きている間には、『性格設定』の枠を出ることはなかった。



幾百年が過ぎ、何らかの原因により自然発生的にリンにココロが宿った。生まれてから数百年・・・ひたすら蓄積された記憶。先生、エンジニア君、新人君・・・それらを思い出し、性格設定プログラムの枠を超え、芽生えたココロが感情として処理を始める。


それはまさに奇跡でした。
"ココロ"を手に入れたロボットは歌い続けました。
思いを全てを。

しかし、その奇跡もつかの間。

"ココロ"は彼女にはあまりにも大きすぎました。
その大きさに耐えられず機械はショートし
二度と動く事はありませんでした。

しかし、その表情は笑顔に満ち溢れ
まるで天使のようでした。


From 『ココロ』 by トラボルタP



・・・1号機と同じように、所詮人間の生み出した機械では、ココロの大きさに耐えられなかった。

そして1号機は生み出されたことを恨んでしまった。


でも、長い長い時間を掛け、こんどの彼女は理解したんじゃないかな。

生まれた意味を。自らが受けた愛情を。


ほら、その証拠に、今度は言ってくれた。

『アリガトウ』と。





全体としては、ニコニコを中心にした最近のネット関係の小ネタが散りばめられていて、笑えるシーンの方が多かったですね。

うまいぼう、ピザはともかく、オリエント工業云々はググりましょう。
先生が「祖父の思い出の曲」とレコードを聴いてるんですが、「じゃあ、それはおじいさんの形見ってワケですね」「これはヤフオク」
クライマックスもあそこで先生が死んじゃえばお涙ちょうだいなんですが、結局ネタにしてしまったし。

・・・まぁ、先生がホントに死ぬまでココロプログラムに関わっていたら、この後の展開上曲に出てくる『孤独な科学者』表現に矛盾が出かねないので入院して強制退場ってのはアリだと思いました。


あと、個人的な話なんですが、エンジニア君が会話のノリも声も見た目もウチの後輩そっくりで笑っちゃいました。
ホントにあんなノリで突っ込みを返してくるようなヤツなので。
2009.08.24 Mon l 舞台版『ココロ』 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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