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最近完結して、約束通り一気読みした同人誌をご紹介。


nogoodlife 『水のようだ』 1~4

出る度に買ってはいたんですが、この人の作品だから絶対何かブチかましてくる・・・と、半端な覚悟では読むことが出来ず、3が出た頃にようやく覚悟決めて1と2を読み、3が届くもそのまま積んでしまい、完結編の4が出たので3を読み、そこで最初から全部読み直し、ようやく読破。


では感想のような、考察のようなもの。

■この作者だからこその・・・
この作品を掘り下げようと思った時、作者であるnogoodlifeさん事OGOPについて知っておくと見えてくる側面もあったりします。


・・・あれは確か2009年の春香誕生祭ニコ生だったと思います。その頃ニコマス界隈に居たPならその名を知らぬものは居ないターンKさんの放送に、KenjoP等の超有名春香派Pと並んでゲストに呼ばれてました。

・・・ああ、musePは呼ばれませんでしたよw

当時ニコマスPとして作品を投稿していた彼女がそこで語ったのは「Pでなく、ファンとして春香が好き」ということ。そして「春香を好きって気持ちでは誰にも負けない」という宣戦布告。あの時代のあのニコ生でそれを言ってのけ、実際今でもその愛を貫く筋金入りの春香“ファン”。

そんな人が描いた『10年越しのラブレター』がこの『水のようだ』なのです。


■質量と体温
本作の魅力の一つは、質量というか、背景のある春香を存分に見られるところではないでしょうか。
それも、話が進むにつれ、時間の経過を明確に積み上げて主人公の思い入れが強くなるに従って、その存在感を増してゆく。

なんだか手前味噌で恐縮ですが、かつて自分もこんな感想を頂いたことがあります。

Damehumanoid 曰く ■[アイマス]2013年上半期ニコマス20選(だめひゅ版)

『一手違わぬ表情選択を当たり前のようにやってのける。
歌の向こうに、春香の話す声が聞こえる気がする。
何も言わぬその表情を見てるだけで、春香が何を思ってるのかわかる気がする。
視聴者にすら、そう錯覚させる。
それはご本人がブログで語っていたとおり「自分の春香」にたゆまぬ情熱を注ぎ続けているからなのだろう。
この動画を観るだけで、これまでの動画を思い出せるほどに。
ただひとつのMADが、年月を当たり前のように背景に持ちうるということ。
考えてみたら、それってとんでもねえことなんじゃなかろうか。』


・・・ああ、この感覚を言葉にするとこうなるのか、と、『3』辺りで気づきました。

なんか、コマとコマの間の愛らしい春香の動きが見える気がする。ライブでのダンスに慣性を感じる。
有り難い感想を頂いたと思ってますが、自分の作品がそんな風に出来てるとは思っちゃいませんし・・・nogoodlifeさんの春香にこそこの感想は当てはまるような気がしました。

主人公の感情に合わせてか、『1』ではそりゃもうカワイイはカワイイけどそこまでの背景を感じなかったのが、『3』辺りではもう完全に質量を持ってる。マンガの一コマ一コマが年月を当たり前のように背景に持つということ。きっととんでもねえことです。

そしてそんな背景を持って挑むラストライブ。圧巻です。たぶん、触れば柔らかいし、体温もある。きっと平熱は少し高めに違いない。

■居るべき者が、そこに居る
『水のようだ』最大の特徴は、アイマスの同人誌ではかなり珍しい(と、思われる)、アイドルでもPでもない視点から描かれるストーリーでしょう。

それは一人の(幸運な)アイドルオタク、タカナシ君の視点。アイマスの設定上、意外に忘れられがちなアイドルのファンの目線です。
だってリアルのライブだって客席埋めてるのは99.9%プロデューサーだしなw

仕事の役得。ひょんなことから765プロに出入りすることになってしまったタカナシ君を中心に話が展開していきます。

そのドルオタ濃度と言ったら思いつきでやったような付け焼き刃なものではなく、おそらく作者本人の経験や「春香のファンだ」と言うスタンスに裏打ちされているのでしょう。ドルオタの独特な言い回しや専門用語を息をするように多用し、その界隈の知識がないと置いていかれるレベル。実は自分も何度かググりながら読んだレベル。

でもそれでいいと思います。同人誌ですし、万人受けを目指して本当に表現したい世界観がブレても仕方ない。

あ、『I Want』絡みのエピソードには妙に共感。というか、今でもそう思う。ニコマスで黒だの何だのネタキャラ扱いされてたのが、やっと正統派キャラという側面が認識されつつあった所で、公式がそれやるか? ライブでのアレも、まぁ嫌いじゃないんだけど・・・ねぇw


さてさて、そんなわけで主人公はタカナシ君なわけですが、もちろん春香の担当Pも登場します。本作では吉川さん。

『2』まで読んだ時点では、最初に書いた『宣戦布告事件』の印象や、あくまでファンとしてのスタンスは守るのを矜持とするタカナシ君がチクチク突っかかる(?)所から、古今東西有象無象の春香Pをモデルにしてるのかと思いました。
そしてきっと、あの宣戦布告事件について事ある毎に言及する俺についてもチクチク言いたいに違いないとw
まぁ、少なくとも自分はあんなに有能じゃないし、イケメンでもねぇけどなw
「あー、ファンだと公言するOGOPからは、春香Pがこう見えてたんだなぁ・・・」なんて思いつつ読み進めてました。

■『THE IDOLM@STER』
しかし、吉川P、『4』でその印象が一転します。

ああ、これは・・・この2人のやり取りは、
アイマスのプレイヤー(=P)としてのOGOPと、その春香のファンであるnogoodlifeさんとの葛藤だったんだ。

そしてこの作品は、おそらくOGOPが初めて春香をプロデュースした時の軌跡を、ファンの目線から俯瞰したストーリー・・・。


それに気づいた時、いつの間にか忘れていた事を思い出しました。

春香Pは、最初にどんな春香と出逢ったかによって、まるきり違う認識を持つ傾向があります。特に、今ほど天海春香のイメージが固まっていなかった無印の頃からの春香Pは。

ある人は、無理に選んだ武道館ライブを失敗させ、その寂しそうな表情が忘れられないと言う。
ある人は、最初に惹かれたのはニコニコで見たプロデューサーさんに恋い焦がれるあまり病んでしまった姿だったとか。

・・・自分の場合は、アケマスで初めてAランク成功エンドへ連れて行ってあげられたのが春香。ドームライブを成功させ、トップアイドルとして独り立ちしていく姿が原点。


そしてOGOPの場合はこれがスタートラインだったのか・・・。

以前からのOGOPの作品に共通して感じる達観や諦念の根源・・・その愛の割に何故か感じる春香との距離は、ファン目線・・・ドルオタとしての矜持と、この立脚点から来るものだったんですねぇ。



ああ、この人は、この人の春香は、本当に強い。

そして自分の春香Pとしての最大のコンプレックス、ドームにたどり着けなかった春香を知らないということを思い出させてくれました。

トップアイドルとかドームとか、春香が語る夢が実現される世界しか見たこと無い自分にとって、そういうのが叶わなかった所から這い上がってきたPの方が、トップアイドルとかドームとかの本当の重さを知っている気がするのです。それがとても悔しい。


この先のアフターストーリーが気にならないと言ったら嘘になります。
しかし絶対に忘れられない最初のプロデュースの思い出を、1つのストーリーとしてパッケージングしたこの4冊は、これで完結しているからこその美しさがあります。アイマスの同人誌の中ではかなり異端な作品ながら、あまりにも見事にアイドルマスターのループの中に在る。

泣いても笑っても1年。咲き誇る花は散るからこそに美しい。ああ、そうだ。アイマスってそういうシビアで美しいゲームだったんだよ。


アイドルマスターの世界を、そこに存在するのが当然なのにほとんど意識されることがない視点から描き出したこの作品は、

とても正しく、アイドルマスターの世界から生まれ落ちた作品なのでした。
2017.08.25 Fri l 春香 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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